2021.12.24
キツネが迎えてくれる「千束稲荷神社」。 こじんまりしながらも凛とした存在感に癒されました。

台東区内には寺社が数多く点在し、それぞれに歴史があり、古の頃から現在まで地元の皆さんに愛され続けています。今回は、東京メトロ日比谷線「三ノ輪」駅から程近い「千束稲荷神社」に伺いました。創建は不詳とされていますが、1661年〜1672年と推測されているそうです。周辺にはマンションやビルが建ち並ぶ都心の風景の一角に、静かに鎮座しています。東京生まれの小説家であり、歌人でもある樋口一葉は、かつて「千束稲荷神社」近くに住んでいたそうで、代表作のひとつ「たけくらべ」に、神社の祭礼の様子が生き生きと描かれ、ゆかりの神社としても知られています。

数ある神社の中から今回、「千束稲荷神社」を選んだのは御祭神が理由のひとつ。お稲荷さんとして親しまれ、家内安全・商売繁盛の神様「倉稲魂命(うがのみたまのみこと」、そして様々な災厄や病気を退ける神様「素盞嗚尊(すさのおのみこと)」が祀られています。私が、いつも大切にしているコトなので、しっかりお参りしてご利益をいただきたいと思ったからです。ひとつの神社でふたつのご利益って、ちょっと得した気分。(笑)

1813年に建立された鳥居をくぐると、二体の可愛らしいキツネが迎えてくれます。稲荷神のお使い(神使い)なので、参拝者と御祭神を取り持つ役目を果たすそうです。黄色い葉が残る御神木の銀杏の木に癒されながら拝殿へ。参拝形式は二拝二拍一拝。これまでの御礼とこれからを祈願しました。拝殿の左に凛々しい樋口一葉の文学碑があり、拝殿の右側には、授与所と社務所が。授与所で、御朱印を頂戴し「千束稲荷神社」とのご縁を繋いでいただきました。後日、御朱印仲間が教えてくれたのですが、映画「勝手にふるえてろ」のロケ地になっており、人気ロックバンド・黒猫チェルシーの「ベイビーユー」のPVにも登場しているそう。数年前の作品とはいえ、何気なく選んだ「千束稲荷神社」にこんな発見があり、歴史ある神社が現代の文化と繋がっていることに、晴れやかな気持ちになりました。
「千束稲荷神社」
住所:台東区竜泉2-19-3
電話:03-3872-5966
※掲載内容は取材時の情報となり、状況が変わっている可能性があります。あらかじめご了承ください。
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